交通の分野においても、機器収容局舎は活躍しています。鉄道や空路、航路、その他一般的な道路にて様々な機器が人々のスムーズな移動を支えています。こうした機器を屋外に設置するためには、局舎が必要不可欠となります。

空路の場合は計器着陸装置や地上無線局などが一般的に用いられており、航路においては海洋レーダー観測用の機器や海上波浪観測用の機器などが用いられています。また、道路においてはETCの監視システムなどが代表的な例です。鉄道においては使用用途が多く、Suicaの監視盤から信号通信機器、電源収容スペース、融雪装置など、駅や線路をよく見ると機器収容局舎をいたるところに見つけることができます。

なお、航路における機器収容局舎は潮風に気をつける必要があります。また、塩害が心配される地区ではフッ素樹脂で表面を塗装し、局舎を錆から守る必要があります。

正確な天気予報は、多くの人から求められています。そして、そうした天気予報の精度を確保するための観測機器にも、機器収容局舎が使われています。

代表的なものとして、雨量観測用の局舎が挙げられます。雨の量を調べるためには屋外への設置が必須不可欠なため、錆対策や強度に優れたタイプがよく選ばれています。また、様々な場所に設置されるため、設置場所によって強度を変えることもあります。同様のタイプとしては、テレメータを収容するものもあります。

河川の近くに設置するのは、水位観測用局舎です。定点観測としての役割はもちろん、災害対策としても活用されます。地震大国である日本にとって、災害対策として地震波測定局舎は欠かせません。近年では東日本大震災の影響もあり、地震対策の根本からの見直しが進められています。

東日本大震災関連でいえば、環境放射線を監視する機器のための局舎もあります。

震災地から離れた関東でも「何ミリシーベルトが検出されたか」という放射線情報が飛び交っていることから、関東方面でも需要が高まっています。

災害をいち早く察知するための機器があることから、それを即座に知らせる無線設備も必要です。豪雪や台風のときに地域住民へ警報を伝えるスピーカーや無線も、機器収容局舎によって保護されています。

また、消防車や救急車が消防署などとスムーズに連絡を取り合えるようにするための無線通信機器も重要で、これも局舎により守られています。

その他、テレビやラジオなどの放送用の局舎、太陽光発電のパワーコンディショナー用の局舎、電源だけを収容するための局舎、災害時の備蓄を蓄える倉庫など、局舎には様々な種類と利用法があります。