スクロジでは倉庫事業を展開しており、パレット1枚分のご利用から商品の保管を承っています。
ここでは、物流に関するコラムとして在庫管理の考え方のひとつをご紹介します。
在庫管理の効率的な方法には流行りがあり、セミナーや実用書にて毎年のように様々なコツが紹介されています。似たような流行りが見られるのが、ダイエットです。効率的に、あるいは簡単にダイエットできる方法は多くの人が求めているもので、メディアではいつもその時々の流行りのダイエット法が紹介されています。なお、次から次へと新しいダイエット法が紹介されるのは、その需要があるから、つまりはダイエットに成功していない人が依然として多いためです。科学的には痩せられるはずなのに何故ダイエットが成功しないのかというと、自分に合った方法を選択していないからだといえます。つまり、実践の前の「分析」が足りていないので期待した効果が得られない、という結果になります。
在庫管理にも関しても同じことがいえます。在庫といってもその性質は多様で、自社の取扱商品や組織体系に合った管理方法を実践しなければ、効率的な在庫管理はできません。
太っているから痩せる、という動機に基づく行動が一般的にダイエットと呼ばれますが、広義には痩せすぎているから太るという動機と行動もダイエットに含まれます。つまりダイエットとは、適正体重や適正の体脂肪率を実現・維持することだといえます。多すぎる体脂肪は生活習慣病を引き起こしますが、体脂肪が少なすぎると十分な免疫力が保てなくなります。
在庫も同じです。「在庫がある状態」というのは、資金の流れが滞留している状態である可能性があります。本来は販売するためのものを、自分の懐に溜め込んでいるためです。なお、在庫を溜めすぎると負債を抱えているのと同じことになり、商品によっては価値が下がって売れなくなり、会社の収益に大きなダメージを与える可能性もあります。これが太りすぎの状態です。また、太りすぎの場合はフットワークが鈍くなるという危険性もあります。在庫が豊富にありすぎるとまずはそれを捌くことが優先され、在庫管理や物流の改善活動に切り込みにくくなり、社内の課題点を見つけられない可能性があります。
これに対して痩せすぎは、在庫がない状態です。製造・生産して直ぐに販売経路に流せていることから安定して商品が販売されていることが期待でき、良い状態となっている可能性があります。ダイエットでいえば、体脂肪率がとても少ないアスリートの状態で喩えられます。とはいえ、急な発注があった場合や生産ラインにトラブルがあった場合には、在庫が少ないと対応ができなくなり、信頼の喪失に繋がる危険性もあります。販売機会を逃さないためにも、痩せすぎは禁物です。
ダイエットで考えなければならないのは、「脂肪を燃やすこと」です。ただ食事量を減らすだけなどの無理なダイエットは、脂肪だけでなく筋肉量まで落としてしまうことになり、リバウンドの原因となります。身体に負担をかけ続ければ筋肉だけでなく骨や内臓機能にまで悪影響を及ぼすことになるので、適切な筋肉量を保ちながらのダイエットが大切です。
在庫管理において削る必要があるのは、「不動在庫」です。不動在庫とは名前の通り、動いていない在庫、つまり長く留まっている在庫のことです。こうした不動在庫は多くの場合、経営を圧迫することになります。
不動在庫の見極めは、在庫滞留期間の把握によって行います。入庫と出庫のタイミングをしっかりと記録しておき、商品ごとの在庫量、在庫期間を分析し、流れが滞っているポイントを見つけます。
次に、原因を見極めます。不動在庫はすぐにでも解消したいところですが、どうして不動在庫となってしまったのかを知ってからでなければ同じことを繰り返してしまう可能性があります。特売やセールのために増産した分が残ってしまった場合には、次から似たようなセールは行わない、あるいはタイミングを改めるなどの対策が必要になります。需要が読めないことから余分に在庫を用意していたのであれば、いつ需要が発生するのかについてさらに詳しく分析することで、作りすぎを防ぐことができます。
不動在庫の対処の仕方にはいくつかのパターンがあります。ダイエットにおいては脂肪を削りますが、闇雲に運動すればいいというわけではなく、例えば骨盤の歪みにより痩せにくい体質になっている人などもいるため、削り方はそれぞれです。
不動在庫の対処としては、販売、寄付、再生、廃棄の4つが主に考えられます。
販売できなかったために不動在庫になるのですが、この場合の販売はいわゆる「ワゴンセール」のことです。手遅れになる前に値下げをすることで、損害を最小限に抑えることができます。寄付は企業イメージの向上にも繋がりますが、転売や悪用に注意が必要です。
スクロジでは、広い倉庫と各種フォークリフト、天井クレーンを用いた効率的な倉庫管理を行うことが可能です。賢い在庫のコントロールをお考えであれば、是非ともスクロジの倉庫をご活用ください。